建設業の2024年問題とは?施工管理の現場への影響と対策


目次

  1. 建設業の2024年問題とは【2026年現在の状況】
  2. 時間外労働の上限規制の具体的な内容
  3. 施工管理の現場への具体的な影響
  4. 会社・現場が取るべき対策
  5. 2024年問題後、転職市場はどう変わったか
  6. まとめ
  7. 【PR】建設業界への転職サポート4選

建設業の「2024年問題」とは、2024年4月1日から建設業にも時間外労働の上限規制が罰則付きで適用されたことにより生じる一連の課題の総称です。長年、他の産業と比べて長時間労働が常態化していた建設業にとって、これは大きな転換点となりました。

この記事では、施工管理として働く方・転職を検討している方に向けて、2024年問題の内容・施工管理の現場への影響・対策・2026年現在の状況をわかりやすく解説します。

建設業の2024年問題とは【2026年現在の状況】

2019年4月に施行された働き方改革関連法により、時間外労働の上限規制が多くの業種で適用されました。しかし建設業・自動車運転業務・医師の業務については「環境整備に時間がかかる」として5年間の猶予期間が設けられ、2024年4月1日をもって猶予が終了しました。(出典:厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」)

建設業は規制適用前の2020年度時点で、年間実労働時間が全産業平均より360時間以上長く、技術者の約4割が4週4休以下で就業していました。(出典:国土交通省「建設業の働き方改革の現状と課題」) これほど長時間労働が定着していた業界に規制が入ることで、「工期に間に合わなくなるのでは」「人手不足がさらに深刻になるのでは」という懸念が広がり、「2024年問題」として注目を集めました。

2026年現在、規制適用から2年が経過し、大手ゼネコンや規制への対応が早い会社では週休2日・残業削減が着実に進んでいます。一方、中小規模の会社では対応が遅れているケースもあり、「会社によって大きな差がある」という状況が続いています。

時間外労働の上限規制の具体的な内容

2024年4月から建設業に適用された時間外労働の上限規制の内容を整理します。

原則的な上限(36協定の一般条項)
時間外労働は月45時間・年360時間以内が原則です。これは、他の一般産業と同じ水準の規制です。

特別条項を使う場合の上限
臨時的な特別の事情がある場合(特別条項付き36協定)には、以下の条件内であれば超えることができます。

  • 時間外労働は年720時間以内
  • 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
  • 2〜6か月の平均が月80時間以内
  • 月45時間を超えられるのは年間6か月まで

罰則
上限を超えた場合は、労働基準法違反として6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。罰則を受けると企業の信頼性が損なわれ、公共工事の受注にも影響する可能性があります。

なお、建設業では「災害時における復旧・復興の事業」については、月100時間未満・複数月平均80時間以内の規制が適用除外となっています。(出典:厚生労働省「時間外労働の上限規制」)

施工管理の現場への具体的な影響

2024年問題が施工管理の現場に与えた影響は、主に次の3点です。

① 工期設定の見直し
これまで「残業・休日出勤で工期をカバーする」という慣習があった現場では、工期設定そのものを見直すことが必要になりました。国土交通省は適正な工期設定のためのガイドラインを示しており、発注者と受注者が協議して無理のない工期を設定することを求めています。

② 施工管理者の負担増加リスク
現場作業員の労働時間が管理されることで、作業の進捗管理・書類作成・工程調整などの管理業務が集中し、施工管理者の負担がかえって増えるケースも見られます。「現場を早く終わらせたのに、書類が終わらない」という問題への対応として、ICTツール活用が急務となっています。

③ 人手不足の深刻化
残業を減らすためには同じ仕事量をより多くの人員でこなす必要がありますが、建設業界はもともと人手不足が深刻です。1997年のピーク時から建設業就業者数は約29%減少しており、規制適用後も人手不足への対応が大きな課題として残っています。(出典:国土交通省「建設業を巡る現状と課題」)

会社・現場が取るべき対策

2024年問題に対応するために、建設会社・施工管理者が取り組むべき主な対策を整理します。

① ICT・施工管理アプリの導入
写真管理・工程管理・書類作成をデジタル化することで、夜間の書類作業を大幅に削減できます。現場でスマートフォンから写真・報告書をクラウドに直接アップロードできるシステムを導入すると、事務所に戻ってからの作業時間が短縮されます。

② 適正な工期の確保
受注時に4週8休を確保できる工期を算出し、発注者と協議するプロセスを定着させることが必要です。無理な工期を受け入れないことが、現場の長時間労働防止の根本的な対策になります。

③ 労働時間の見える化・管理強化
残業時間の正確な把握・36協定の適正管理・上限に近づいた際のアラートなど、勤怠管理を精緻化することが不可欠です。「知らずに違反していた」という事態を防ぐために、専用のシステム導入を検討する会社が増えています。

2024年問題後、転職市場はどう変わったか

2024年問題の適用後、施工管理の転職市場にも変化が出ています。

まず、「週休2日・残業少なめ」を求人の前面に出す会社が増えました。労働環境を改善してアピールすることで採用競争に勝とうとする動きが活発になっています。転職活動中の施工管理経験者は、求人票の「年間休日」「平均残業時間」「週休2日の有無」をより厳しくチェックするようになっており、そのニーズに応えられない会社は人材確保に苦しんでいます。

また、施工管理技士の資格保有者への需要はさらに高まっています。1人の資格者が担える現場数が制限される中で、資格を持った施工管理者の市場価値は上昇しており、転職時の条件交渉力も上がっています。

まとめ

  • 2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制(月45時間・年360時間が原則)が罰則付きで適用された
  • 違反した場合は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性がある
  • 現場への影響は、工期の見直し・施工管理者の書類負担増加・人手不足の深刻化の3点が主な課題
  • 対策はICT活用・適正工期の確保・勤怠管理の精緻化の3本柱
  • 2026年現在、対応が進む会社と遅れる会社の格差が開いており、転職先選びでは具体的な数値確認が重要

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